モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
腐りかけたその顔は、
もはや生き人の
ものではない。
しかし、変わり果てた
その姿でも微かな
面影から、姫乃には
彼らが誰なのか、わかった。
この村の、住民。
親のいない姫乃たち
姉妹を気遣って
世話を焼いてくれた
教会の老夫婦や、
父に借りがあるからと
何かと手を貸してくれた
義理堅い木こりのおじさん。
馴染みのある面々が、
生ける屍と化している。
「…村の人たちを、
皆殺しにしたの…!?」
村人全員というには
だいぶ、足りていない。
それでも姫乃が
そう言ったのは、
この異形の者たちの
ことを少なからず
知っているから。
喰血鬼、という呼称こそ
知らないが、彼らの餌が
何なのかはよく知っている。
かつて、姫乃は
喰血鬼によって、
家族同然の大事な人たちを
食い殺された。
もはや生き人の
ものではない。
しかし、変わり果てた
その姿でも微かな
面影から、姫乃には
彼らが誰なのか、わかった。
この村の、住民。
親のいない姫乃たち
姉妹を気遣って
世話を焼いてくれた
教会の老夫婦や、
父に借りがあるからと
何かと手を貸してくれた
義理堅い木こりのおじさん。
馴染みのある面々が、
生ける屍と化している。
「…村の人たちを、
皆殺しにしたの…!?」
村人全員というには
だいぶ、足りていない。
それでも姫乃が
そう言ったのは、
この異形の者たちの
ことを少なからず
知っているから。
喰血鬼、という呼称こそ
知らないが、彼らの餌が
何なのかはよく知っている。
かつて、姫乃は
喰血鬼によって、
家族同然の大事な人たちを
食い殺された。