モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
異常な事態―凍夜
凍夜が燃え盛る森の前に
たどり着いたときには
一足遅く、すでに姫乃は
炎の中へ姿を消した
ところだった。
とりあえず、苛立ち紛れに
目の前の群れの人間を
ぶちのめし、一撃で
事切れたそれらを
力任せに凪払う。
そうして姫乃の後を追おうと
森を目の前にして、
凍夜は少しだけ、
冷静になった。
吸血鬼は、炎が苦手だ。
どういう因果かは知らないが、
炎を前にすると
しばらくのあいだ、
その特殊な能力は弱まって
普通の人間と同等に
なってしまう。
実際、この距離でも、
酷い脱力感を感じている。
今はまだ、力を失っては
いないが、このまま
姫乃を追って炎にまかれれば
間違いなく力は
弱まってしまうだろう。
そんな状態で、姫乃を
連れて戻っても、この連中、
とりわけ、喰血鬼を
相手にすれば、姫乃を
危険にさらす確率は
高まるのではないか。
たどり着いたときには
一足遅く、すでに姫乃は
炎の中へ姿を消した
ところだった。
とりあえず、苛立ち紛れに
目の前の群れの人間を
ぶちのめし、一撃で
事切れたそれらを
力任せに凪払う。
そうして姫乃の後を追おうと
森を目の前にして、
凍夜は少しだけ、
冷静になった。
吸血鬼は、炎が苦手だ。
どういう因果かは知らないが、
炎を前にすると
しばらくのあいだ、
その特殊な能力は弱まって
普通の人間と同等に
なってしまう。
実際、この距離でも、
酷い脱力感を感じている。
今はまだ、力を失っては
いないが、このまま
姫乃を追って炎にまかれれば
間違いなく力は
弱まってしまうだろう。
そんな状態で、姫乃を
連れて戻っても、この連中、
とりわけ、喰血鬼を
相手にすれば、姫乃を
危険にさらす確率は
高まるのではないか。