モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「本当ならこれからも
あのまま麻酔の効いた
状態でと思っていたのですが、
ここから逃げようなどと
餌の身で不相応な真似を
した罰です。」

ノークスの手が姫乃の
胸のふくらみを強く握った。

「い、や…!」

抵抗しようと身をよじるが、
ノークスに押さえつけられて
身動きが取れない姫乃は、
さらに酷いパニックに陥る。

自分の意思を無視して好きに
扱われた恐怖と、これから
それ以上の醜態をさらすのだという
屈辱で頭が真っ白になった姫乃は、
死に物狂いで目の前にあった
ノークスの肩に力いっぱい噛みついた。

「!」

噛みつかれた痛みでノークスが
怯んだ隙に、逃げようと机から
飛び降りる。
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