モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「吸血鬼の力は
炎の中ではほとんど
発揮できない。
何もないよりマシ
程度ですが、少しは
炎をしのげるでしょう。」

溶けた天明と黎明が
姫乃の身体を
覆う膜に変わった。

「ありがとう。」

「…自分が助かって、
あなたが助からない、なんて
沙羅は一生悔い続けますからね。
それから…凍夜も。
助けに戻るまで
二人の為に死ぬ気で
生きなさい。」

「…。…わかった。がんばる。」

素直にうなずく姫乃を残して、
ノークスは沙羅を抱え走り出した。
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