モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

炎からの救出―姫乃

一人、残された姫乃は、
ぼんやりと燃え盛る
炎を見つめていた。

ノークスの残してくれた
血が姫乃を守って
くれているせいか、
はたまた、姫乃の
身体が感覚を
感じなくなって
しまったのか、
熱さも痛みも
わからない。

どこか、夢見心地に
燃えていく森を見ている。

その光景に、昔の
記憶を重ねながら。

沙羅を守ってほしくて、
ノークスを行かせた。

その時は、自分のことなど
考える余裕はなく、
ただただ、二人の
無事を願っていた。

しかし、いざ、窮地に
一人で残されると。




…怖くて、たまらない。





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