モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
終章

吸血鬼の花嫁―ノークス

モントリヒト城の自室の
ベットに横たわる
姫乃の呼吸が弱々しい。

「…お姉さま…。」

散々泣き腫らした沙羅が、
姫乃の手を握り締めて
再び涙をこぼした。

「…。容体が変わったら、
すぐに知らせてください。」

そう言い残して、
ノークスは部屋を
後にした。

火事の中の救出劇から
一夜明けて、気がつけば
もう、夕暮だった。

凍夜が炎の中から姫乃を
救出してすぐ、
モントリヒト城に
帰還して今まで、
ノークスは姫乃と沙羅の
手当てに追われていた。
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