モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…それは、僕と姫乃の
間のことで、キミには
関係ない。黙っててよ。」

「ですが…っ。」

「そんなことより、
キミ、この状況で
まさか変なコト、
考えてないだろうね。」

「な…何の話です。」

「キミ、姫乃の怪我が
キミの…。」

不審そうに言う
凍夜の言葉は、
何かが倒れる音で
途切れた。

お姉さま、と叫ぶ
沙羅の声に、凍夜も
ノークスも、慌てて
姫乃の部屋に向かう。

乱暴に扉をあけ、
二人が飛び込んだ部屋には、
床に倒れどうにか
身体を起こそうとする姫乃と、
その姉を助け起こそうと
する沙羅の姿があった。
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