モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「だから、わたしのかわりに、
この城と沙羅を、
守ってほしいの。」

「お姉さま!」

「わたしが死んだら、
沙羅は一人ぼっちに
なってしまう。
あなた達にしか、
この子を頼めない。」

「それは…そうかも
しれませんが…いいえ、
らしくもない!
何を気弱になって
いるんです。」

「ノークス。」

「あなたはそうたやすく
崩れる性質ではないでしょう!
沙羅が心配なら、余計、
しっかりしなさい。」

「…いいよ。キミに何か
あろうとなかろうと、
キミの妹は責任をもって
面倒をみる。
…ノークスが。」

「なんで僕なんですか!?」

「みたくないの?
アレだけ可愛がって
いたくせに?」

「いいえ、そう言うわけでは…。
って、そうではなくて…!」

「ちょうどいいね。
ソレがいるうちは、
キミは変な気を起こせない。」

「!!」
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