モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…変な気…?」

「姫乃が怪我をした分、
姫乃の代わりに
妹の面倒をみる。
それで問題ない。」

「それは…。」

「…そうね…。
それなら、貸し借り無しね。
ノークス、だから、
間違っても、わたしの
怪我を理由に、
自殺なんて考えないで。」

「朔夜様…?」

ノークスの心中に
いち早く気付いた凍夜が、
凍夜の考えを察した姫乃が、
自殺という不穏な言葉に
不安げな沙羅が、
そろってノークスを見つめる。

「…っ!わかりました!
沙羅のことは僕が責任を
持って面倒をみます。
みますから、金輪際、
変な心配をしないで
ください!」

三者三様の視線に
耐えきれず、ノークスは
そう宣言した。

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