モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
吸血鬼の花嫁―沙羅
「…お姉さま…。」
姫乃を連れて行かれた
沙羅は、姉を追おうと
駆けだし、すぐさま
朔夜に捕まえられた。
「朔夜様…。
放してください。
わたし、わたし…
お姉さまのそばに
いたいの…。」
もう、永くは
ないのだと、
姫乃は言った。
そんなこと、
認められない。
でも、そうは思っていても、
刻一刻と、姉との
別れが近づいているようで、
沙羅はいてもたっても
いられない。
「待ちなさい。」
「朔夜様っ。」
沙羅の懇願を聞き入れて
くれない朔夜に抗って、
その手から逃れようとあがく。
必死に抵抗する沙羅に
困ったような視線を
向けていた朔夜は、
ため息をついてから
こう言った。
「凍夜なら、姫乃の命を
救えるかもしれないのです。
邪魔をしてはいけない。」
「え…?」
抵抗を忘れた沙羅を、
椅子に座らせて、
朔夜も向かいの
椅子に腰かけた。
姫乃を連れて行かれた
沙羅は、姉を追おうと
駆けだし、すぐさま
朔夜に捕まえられた。
「朔夜様…。
放してください。
わたし、わたし…
お姉さまのそばに
いたいの…。」
もう、永くは
ないのだと、
姫乃は言った。
そんなこと、
認められない。
でも、そうは思っていても、
刻一刻と、姉との
別れが近づいているようで、
沙羅はいてもたっても
いられない。
「待ちなさい。」
「朔夜様っ。」
沙羅の懇願を聞き入れて
くれない朔夜に抗って、
その手から逃れようとあがく。
必死に抵抗する沙羅に
困ったような視線を
向けていた朔夜は、
ため息をついてから
こう言った。
「凍夜なら、姫乃の命を
救えるかもしれないのです。
邪魔をしてはいけない。」
「え…?」
抵抗を忘れた沙羅を、
椅子に座らせて、
朔夜も向かいの
椅子に腰かけた。