モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜っ!?」

「…どうせ、この方法じゃ、
すぐには死ねない
だろうけどね。」

そう言って自身の
首筋で切っ先を
滑らせようとする凍夜に、
姫乃は必死にしがみつく。

「ダメっ!!あなたが
死ぬのは駄目!」

「姫乃。邪魔
しないでよ。」

「ダメ!…わがまま
なのはわかってる!
でも、わたしは
あなたに死んで
ほしくないの!」

「僕は、今、キミに
関わってここで
終わりたい。
キミを殺してからと
思っていたけど、
キミが死ぬところなんて、
見たくない。」

「凍夜っ!やめて!
それは駄目!!」

しばらく姫乃の様子を
見ていた凍夜は、
しがみついて離れようと
しない姫乃を抱きしめた。
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