モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。…わたし、は…。」

「選んで。」

答えることのできない
姫乃に、凍夜は
再び静かに選択を迫った。



一緒に、生きるか、死ぬか。



そう問われれば
姫乃の答えは
先ほどと真逆に
なってしまう。

「…凍夜…。」

でも、花嫁には、
なれない。

そう言おうとした
姫乃を凍夜は
黙らせた。

「他の答えは
いらない。
どちらか、だよ。」

絶対に、引こうと
しない態度に、
姫乃はもう、
逃げ道など
無いことを悟った。

もしこのまま
時が来て姫乃が死ねば、
凍夜も死を選んでしまう。

凍夜に生きてほしいと
願うなら、姫乃が
選ぶ答えは一つだけだ。
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