モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…キミ、さっき、沙羅とは
半分ずつ支え合ってるって
言ったくせに、僕とじゃ
支え合えないって言うの。」

「え…いいえ、
そんな、ことは…。」

言い淀む姫乃に、
追い打ちをかける。

「そもそも、僕の命を握るって、
解釈がおかしいよ。
まるで僕がキミに
全部背負わせるみたいで
気に入らない。
僕は君よりずっと
強いんだから、
キミは守られてれば
いいんだよ。」

不機嫌にそう言えば、
姫乃は困惑したように
凍夜を見た。

「でも、わたしに
何かあったら、
あなたは…。」

「花嫁になろうとなるまいと、
キミを失ったら僕は
生きていくつもりはない。」

「凍夜…。」
< 693 / 726 >

この作品をシェア

pagetop