モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜?…どうかしたの?
…これは、なに?」
刻印を凝視する
凍夜に気付いて、
姫乃が自身の胸を
見て問いかけた。
「…花嫁の証。」
「薔薇みたいね。」
「吸血鬼と薔薇の妖精の
話はこれから
派生したらしい。」
そう説明しながら、
凍夜は一瞬見えた
もののことを頭から
追い出した。
昔世話になった吸血鬼が、
花嫁について教えて
くれた話を、凍夜は
それほどまじめに
聞いていなかった。
たぶん、聞き逃した
部分もあるだろう。
とにかく重要なのは
契約の成立を示す
薔薇の刻印なのだから、
問題はない。
「…これで、おしまいなの?」
「細かいところは、ね。
腕もくっついたようだし、
火傷も治っていくはずだ。」
火でついた傷だから、
他と比べて時間は
かかるだろうけど、と
付け足して、凍夜は
姫乃の上に覆いかぶさった。
…これは、なに?」
刻印を凝視する
凍夜に気付いて、
姫乃が自身の胸を
見て問いかけた。
「…花嫁の証。」
「薔薇みたいね。」
「吸血鬼と薔薇の妖精の
話はこれから
派生したらしい。」
そう説明しながら、
凍夜は一瞬見えた
もののことを頭から
追い出した。
昔世話になった吸血鬼が、
花嫁について教えて
くれた話を、凍夜は
それほどまじめに
聞いていなかった。
たぶん、聞き逃した
部分もあるだろう。
とにかく重要なのは
契約の成立を示す
薔薇の刻印なのだから、
問題はない。
「…これで、おしまいなの?」
「細かいところは、ね。
腕もくっついたようだし、
火傷も治っていくはずだ。」
火でついた傷だから、
他と比べて時間は
かかるだろうけど、と
付け足して、凍夜は
姫乃の上に覆いかぶさった。