モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
秋の日に―沙羅
狭く長いトンネルの先は、
女、子供が一人歩いて通れる
くらいの穴になっていて、
今は鉄格子が道をふさいでいた。
鉄格子の向こう側は、
草の生い茂る野原で、
そちら側から差し込む
日の光のおかげで、
灯りがなくても
足もとは十分よく見える。
トンネルの鉄格子の隙間に、
沙羅はからっぽの小瓶と
手紙を置いた。
かわりに、そこにあった
赤い液体の入った小瓶を
大事に抱え込む。
二日に一度、ここに小瓶を
とりにくるのが、
今の沙羅のあたらしい
日課だった。
女、子供が一人歩いて通れる
くらいの穴になっていて、
今は鉄格子が道をふさいでいた。
鉄格子の向こう側は、
草の生い茂る野原で、
そちら側から差し込む
日の光のおかげで、
灯りがなくても
足もとは十分よく見える。
トンネルの鉄格子の隙間に、
沙羅はからっぽの小瓶と
手紙を置いた。
かわりに、そこにあった
赤い液体の入った小瓶を
大事に抱え込む。
二日に一度、ここに小瓶を
とりにくるのが、
今の沙羅のあたらしい
日課だった。