モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「今度は、何が原因で…?」

「やっと消えかけたところに、
また、大量のキスマークを…。」

そこまで言いかけて、
朔夜はあわてて言葉を切った。

未成年の少女に教える
内容ではない、と
言葉を濁して、
紅茶を口に含む。

なんとなく想像がついたので、
続きを促すことなく
沙羅も紅茶を口に運んだ。

義兄の凍夜の姫乃に対する
溺愛っぷりは相当なものだ。

凍夜は、とにかく姫乃を
自分のそばに置いて
おきたいらしく、
姫乃の行くところには
ほとんど必ず付いていく。

姫乃が自分に関心がないと、
不機嫌になることは
しょっちゅうだ。

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