モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「キミが嫌なら、
もうやらない。」

姫乃の様子の変化を
敏感に感じ取ったらしい
凍夜が、そういった。

姫乃をまっすぐに見据えた
彼の目からは、少なくとも
姫乃の尊厳を奪おうという
意思は感じられない。

「…でも、ノークスは
貴方と違うでしょう?」

凍夜は、やらないと
言ったらやらないだろう。

だが、姫乃をここに
連れてきたのはノークスだ。

「ノークスは、わたしの
何かを嫌がってるもの。」
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