モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

宣言―凍夜

昨日の雨が嘘のような青空を
凍夜は自室の窓からじっと
見ていた。

自分の部屋に、一人でいるのは
数日ぶりだ。

この部屋を占拠していた少女は、
凍夜の従僕を連れて意気揚々と
出かけて行った。

たぶんもうすぐ戻ってくるだろうが、
一夜明けて開き直った彼女は、
ますますその個性的な思考に
磨きがかかっていた。

いや、おそらく、アレが本来の
彼女らしさなのだろう。

あいまいだった記憶もきちんと
もどり、地に足のついた姫乃は
とても生き生きして見える。

やっぱり、彼女を見ているのは
おもしろくて退屈しない。

おもしろいといえば、寝起きの
姫乃の反応もおもしろかったと、
思い出して笑みがこぼれた。
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