小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「良ちゃん、止まれ~! 乗せてよ~!!」
どんなに全力で走っても、グングン進んでいく自転車には一向に追いつけない。
「たまには走った方がいいよ、歌恋! 運動、運動!!」
クルリと顔だけ振り向いた良ちゃんが、ハハっと笑いながら言っている。
「歌恋! もっと走れ~!」
更に前から、圭までもが言いだした。
「あたしを置いてくな~、バカ~!!」
入道雲が浮かぶ空からは燦々と照りつける太陽が、海岸からは涼しい顔して陽ざしを反射する白い砂浜が。
賑やかなあたし達を見て、「またやってるよ」と呆れているような気がした。