小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
今日の補習授業は、午前中で終了。
明日も、台風次第では休みということになった。
たまに突風が吹き、さすがにふたり乗りするのは危険だったので、ゴマ畑の道を3人でゆっくり歩く。
圭もあたしと良ちゃんに合わせ、自転車を押している。
「うわっ!」
前から吹く強い風に一瞬体が飛ばされそうになり、膝を少し曲げてバランスをとった。
肩に背負うスクールバックが、この風に持っていかれそう。
「歌恋、大丈夫?」
良ちゃんもあたしと体格はたいして変わらないのに、どんなに強い風が吹いても、体がよろけることはなかった。
普段女の子っぽい良ちゃんも、ちゃんと男の子なんだね。
良ちゃんと圭が、必死でアスファルトに足をつくあたしを心配そうに見ている。
あたしは「大丈夫だから、前に進んで」と、風に揺れる前髪を押さえながらふたりに叫んだ。
スカートの中に体育服の短パンをはいててよかった。
じゃなきゃ、今頃パンツ丸見えだし……。