小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「どうしたの?」
勢いよく上半身を起こし、携帯を耳に押し当てる。
「圭……が……そ……け……今……び……」
良ちゃんの声は、途切れ途切れで何を言っているのかさっぱりわからない。
耳から携帯を離し電波の確認をしてみると、やっぱりアンテナは1本しかたっていなかった。
ベッドから下りて部屋の中を移動し、少しでもと電波を探すけど、あまり変わらなかった。
「良ちゃんごめん、電波悪くて聞こえない。圭が何?」
良ちゃんにはちゃんとあたしの声が届いているみたいで、何かを必死に伝えようとしている。
「圭が、け……今……びょう……」
「え? なに? 良ちゃん、本当に何言ってるかわかんない」