小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


玄関のすぐ横にある駐車場まで10歩もないのに、全身ずぶ濡れ。


車の助手席に乗り込むと、前髪から雫が落ちてきた。


ワイパーの動きを一番速くしても、フロントガラスを流れる雨の量が多くて視界がかなり狭い。


普通なら車で5分かからないのに、今は時速20キロ程のスピードしか出せないから、かなり時間がかかってしいヤキモキする。


それでも少しずつ病院に近づいているんだけど、不安が先走ってノロノロ走る車から降りたくなる。


狭まる視界から外をのぞき見ると、幹の太い木が大きく横に揺れていて、今にも倒れてきそうだった。


圭……。


お願いだから、無事でいて!!




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