小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
いつもの良ちゃんだ。
さっきのは、気のせいだよね……?
あたしは良ちゃんの横まで走り、診察室につく前に紙パックにストローを刺した。
「診察室に着くまで待ちなよ」
歩きながらストローをくわえる行儀の悪いあたしを見て、良ちゃんが苦笑する。
「だって、喉カラカラだったんだもん!」
隣の良ちゃんを見て、フフンと笑うと。
「まぁ、それでこそ、歌恋だよね」
そう言った良ちゃんが、優しく微笑んだ。
その微笑みの意味に気づかなかったあたしは、甘いイチゴミルクを口に含み良ちゃんに微笑み返した。
小さい頃からずっと一緒にいた幼なじみ。
何にも変えることの出来ない、かけがえのない存在。