小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
良ちゃんはすでに到着していて、レジ横の白い台の前に丸い椅子を出しそこに座っていた。
良ちゃんと圭も、あたしと同じように短パンにTシャツ姿だ。
この夏更に日焼けしてこんがり焼けてしまったあたしとは対照的に、Tシャツの袖から出ている圭の腕は白くてとてもキレイだった。
少しダルそうに目の力を抜いてあたしを見上げる圭の視線が、あまりにもカッコよすぎて、荒ぶった鼓動を隠す為に圭から目を逸らし口笛を吹く振りをしながら、首筋をポリポリとかいた。
用意されていたあたし用の椅子に座り、バックの中から問題集とノートを取り出す。
「補習終わっても勉強するあたし達って、すごいよね」
授業中、先生に教えてもらってもわからなかったページを開いて、シャーペンを持つ。
「普通は塾に行ってまで勉強するんだから、これくらいやらなきゃ僕達大学受からないって」
良ちゃんの言葉に、フーンと顎を突き出して問題集と向き合う。
何とか解いてみようとするけど、30秒で降参。
「ダメだ……全然わからない……」
あたしはシャーペンを指でクルクル回してから、白い台に頭を叩きつけた。