小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


そっと隣を見てみると、良ちゃんの頭一個分身長の高い圭の顔が、良ちゃんの頭からひょっこり出ている。


真顔で花火を見上げる圭の横顔が、花火が上がる度に明るく照らし出され、いつもよりも大人びた色気を感じ思わず見惚れてしまった。


花火なんて、もうどうでもいい。


花火以上に美しいものが、あたしの近くにはあるから。


告白できなくても、幼なじみという関係から前に進めなくても、今のままで十分幸せだ。


「……っ!?」


圭が、空からあたしへ、フッと視線を移した。


ビックリして体が固まり、目も、逸らすことができない。


クライマックスを迎えた花火の数が、徐々に増えていき激しい音が響いている。


花火が何発も続けて上がる地響きと、自分の高鳴る鼓動とで、体が小刻みに震えてきた。




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