小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「あー、なんか安心したら急にお腹がすいてきちゃった」
圭と良ちゃんの目が同時にあたしに向く。
「良ちゃん、帰りに商店寄ってお菓子買って帰ろうよ」
「そうする?」
目を輝かせた良ちゃんも、あたしと同じようにお腹をさする。
「じゃね、圭。明日学校でね」
良ちゃんが圭に手を振る。
「圭はまだここに残ってるでしょ?」
あたしが聞くと、圭は「ああ」と一度おばさんに目を向け頷いた。
「明日、おばさんの様子を聞かせてね」
「うん」
あたしも圭に手を振り、病室を出た。
「歌恋!」
圭に呼ばれて、クルリと振り返ると、
「あんま食い過ぎんなよ」
と言って、両手で体の幅を増やし“太るぞ”とジェスチャーした。