小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
隣で良ちゃんがウシシと笑ったので、良ちゃんの腕をパシリと叩いてから、圭に向けベーっと舌を出した。
そして、もう一度ふたりで圭に大きく手を振る。
病院を出ると、みんなそれぞれ家路につき、あたしは良ちゃんの自転車の後ろに乗った。
もう夕日も沈みかけてるのに、ジメジメと蒸し暑く、制服が肌に張り付く。
潮風で手や顔がベタベタになって気持ちが悪い。
古いアスファルトの上を走ると、ガタガタと何度も体が上に浮き、その度に首筋から汗が流れていった。
まだまだこんなに暑いのに、季節はもうすぐ秋なんだよね。
確実に、時間は流れていってるんだ……。