小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
リーダー圭
「おはよう!」
翌日も少し遅れて教室に入ってきた圭に、良ちゃんと一緒に駆け寄る。
圭は、暑いから近寄るなと体を逸らしたけど、おばさんのことが気になって、あたし達は圭が席に着くまで両端にピッタリくっついた。
「おまえら、暑いって!」
席についてスクールバックを机の横に掛けた圭が、眉を寄せて笑う。
「母さんは大丈夫だよ。落ちついてるから心配ないって、先生が言ってたし」
「本当!? あー、よかったぁ……」
あたしは肩の力を抜いて自席に座る。
「早く退院できたらいいね」
あたしが椅子の背もたれに体重をかけながら圭を見ると、圭は何度も頷きながら口角を上げていた。