小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
あたしが弾んだ声で言うと、圭は急に頭を抱え出した。
「おまえら自分がやりたくないから、俺に押しつけてんだろ?」
「違うよ! 伝統行事を成功に終わらせたいから、圭を推薦しようと思ったんだよ!」
良ちゃんは真剣な顔で言ったあと、すぐに肩をすくめながら乙女のように笑い、A4の紙のリーダーのところに“赫 圭”と記入をした。
「俺の意思はなしかよ」
「うん」
可愛く返事をする良ちゃんに、圭が唇を噛みしめて拳を振り上げる。
すると、良ちゃんはケラケラ笑って圭の拳から逃げ出した。
秋祭りはあまり好きじゃないけど、でも、圭と良ちゃんと一緒なら何だって楽しいよね。
それに、圭の着物を羽織った姿、ちょっと見てみたいし。
きっと、色気ハンパないんだろうな。