小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


翌日の放課後、あたし達は早速秋祭りの打ち合わせをしに公民館を訪れた。


「こんにちは~」


公民館のドアを横に引くと、モワっと暑い空気があたし達を出迎えてくれた。


古い木造の公民館は、畳のイグサの匂いと埃の匂いとが入り混じっている。


クーラーも扇風機もないこの空間で練習をするんだと思うと、始まる前から気が重い……。


「お~! 早かったね。ちょっと暑いけど、中に入って待っててね」


玄関横の小さな部屋から出てきたのは、白髪で目元にシワがたくさん出来ている温厚なおじいさん。


毎年指導をしてくれる、ボランティアの先生だ。


あたし達は玄関で靴を脱ぎ、畳に上がって片っ端から窓を開けていく。


窓のすぐ側には樹が複雑に絡み合う木がいくつかあり、太陽の陽ざしを和らげてくれてる。


でも、生ぬるい風しか入ってこないからすぐに汗だくになった。




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