小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「はっ!? 嘘だろ?」


ピタリ。と、圭が立ち止まる。


あたしは、良ちゃんと目を見合わせ首を傾げた。


「それ、いつ? さっき?」


……どうしたの?


圭の口調が珍しく焦っている。


「稔と一緒にすぐ向かうから。父さんは早く母さんの所に戻って」


……おばさん?


おばさんに何かあったの?


圭はパチンと携帯を閉じると、それをズボンのポケットに入れてサッとあたしと良ちゃんを振り返った。


圭の表情が、少し強張っている。


「悪い。ちょっと病院行ってくるわ」


「おばさんに、何かあったの?」


声が、震えた。


おじさんからわざわざ電話が来るってことは、またおばさんの体調が悪くなったってこと?


「行ってみないと詳しいことはわからないけど、あんま心配すんな。おまえらはちゃんと練習行って頑張ってこい」


「でも……」



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