小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
翌日。
まるであたし達の不安な気持ちを感じているかのように、天気はどんよりしていた。
空は分厚い灰色の雲に覆われいて、遠くで雷がとどろいている。
教室の窓から外を見ると、ポツポツと振りだした雨がガジュマルの葉を何度も叩いていた。
圭は学校へはこなかった。
電話やメールをしても、一通も返事が返ってこない。
稔くんも学校を休んでたみたいで、益々落ちつかなくなる。
「圭達、一体どうしたんだろうね」
昼休み、隣の教室から遊びに来ていた海が、圭の机に伏せながら言った。
「良久にも歌恋ちゃんにも連絡こないんでしょ?」
「僕は今朝一回メールしただけだけど、まだ返信きてないよ。歌恋は?」
良ちゃんが携帯を確認しながら、あたしに聞いてきた。
だけど、あたしはブンブンと首を横に振る。
「病院、行ってみる?」
海が圭の机から顔を上げ、不安そうに眉をハの字に曲げる。
「いや、行かない方がいいよ。来てほしい時は、圭はちゃんとそう言うから」
良ちゃんの声はとても小さくて、口の中でこもらせながら言っていた。