小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「……圭」
翌日、良ちゃんと一緒に教室に入ると、圭は机に伏せて眠っていた。
小さく声をかけてみたけど、圭の反応はない。
良ちゃんと目を見合わせ、そーっと自席の椅子を引く。
聞きたいことはたくさんあるけど、きっと圭はすごく疲れてると思うから今は静かにしておく。
あたしがスクールバックの中から教科書を取り出していると、カタカタとうるさい物音に圭が頭をのっそりと上げた。
眩しそうに目を細め、おでこに張り付いた前髪を手で払っている。
「あー、おはよ」
かすれる圭の声。
圭は大きく欠伸をし、後頭部を2、3回かいた。
「お、おはよう!」
あたしは、膝の上に置くスクールバックをギュっと握った。
「秋祭りの練習、うまくいったの?」
圭が、言いながら表情を緩める。
「う、うん! 良ちゃんとのタイミングは合うようになったよ」