小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「それ食べて元気だして、僕達と一緒に祭りの練習しようよ」
「…………」
良ちゃんが言うと、急に圭の顔から表情が消えた。
紫色の袋を手で弄んでいる。
「圭が話したくないなら、僕達は無理には聞かないよ」
「…………」
「でも、僕達は、圭のその偽物の態度で接されるのはイヤだ」
……良ちゃん。
圭と良ちゃんの間に挟まれているあたしは、ふたりの表情を交互に確認する。
パチパチあめの袋を右手で強く握りながら目元に力を入れる圭と、そんな圭を真顔で真っ直ぐ見つめる良ちゃん。
やっぱり、このふたりは想いが通じ合ってる。
幼なじみで、大親友で。
あたしにはわからない男心なんかも、お互いに理解し合ってるし。
あたしにはわからない会話を、心の中でし合ってる。
「あ~、いいや。圭は、まだ練習に参加しなくていいよ」