小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
2日後。
自宅で葬儀が行われた。
島の殆どの人が、喪服で圭の家を訪れている。
白と黒の悲しい色の幕が下がり、“赫家 告別式”と、門のところに立てかけられていた。
家のドアや窓は全て開けられていて、訪れた人達が次々に最後の別れを惜しんでいる。
木魚の音と、お経と。
そして、人々のすすり泣く声が、波の音に重なり不協和音を奏でた。
制服姿のあたしと良ちゃんは、家の中には入らず縁側の外から中の様子をうかがう。
おじさんの横で、参列者に頭を下げる圭。
おじさんや稔くんの目は、真っ赤に腫れているのに、圭だけはそうじゃなかった。
おじさんやおばさん達から声をかけられる度に、圭は優しく目を垂らし、頷いて答えている。