小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
本番前最後の調整。
良ちゃんとふたりで舞台横に待機し、音楽が流れるのを待つ。
先生に習ったように、舞台に上がるとひとつひとつの動きに集中しながら体を動かした。
人数が3人からふたりに減った分、出来るだけ時間を稼ぎ体をゆっくり動かす。
リハーサルは無事に終了。
私服のまま動いただけで汗が流れてきたから、これに着物とお面を付けたら大変なことになりそうだ。
午後になり、秋祭り開始の花火が上がった。
客席にも多くの観客が集まり、緊張感が増してくる。
下は黒の短パン、上は白のTシャツに着替え、あとは着物を羽織るだけにする。
舞台横に準備されていた出演者用の席に座り客席に目を向けると、学校のみんなや良ちゃん家とウチの家族も集まっていた。
小さく手を振ると、こちらに気づいたみんなが賑やかに大きく手を振り返してくれる。