小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
鞘から出し、藁の山から出る白い煙を大きな仕草で切って行く。
これで、災難と同時に野心も切り刻まれ、舞いは終了する。
あたしは良ちゃんと面越しに目を合わせ、舞台の中央に移動し頭を下げた。
和太鼓とホラ貝の音楽が止まり、舞台の上から家族や仲間の顔が見たくて面を取ろうと手をかけた。
その時……!
「………っ!?」
一度止まったはずの音楽が、再び流れ出した。
あたしは音響のスタッフの方を見て、わけがわからずに隣の良ちゃんに目を向けた。
鬼の面を付けたままの良ちゃんが、どこかを真っ直ぐ見ている。
鬼の目線を追ってサッとその方を向くと……。
「……圭?」
あたしは、ポカンと口を開けながら鬼の面を外した。
本当に……、圭……なの?
隣の良ちゃんも、茫然としながら面を外す。