小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
久しぶりに見る、愛しい人の姿。
会えた喜びと、きっとまだ辛いであろう圭の心の辛さが入り混じり、コントロール出来なくなった感情は涙となって溢れてきた。
――ガシッ……。
良ちゃんの手が、あたしの腕を力強く握る。
目線は圭に向け、瞳に涙を溜めながら。
圭は、最後まで舞いを続け舞台に上がってきた。
鬼の面を付けているから圭の表情は見えない。
だけど、圭は真っ直ぐにあたし達を見ている。
「圭っ!!」
良ちゃんが震える声で圭の名前を呼び、舞台の上でサッと圭に駆け寄った。
そして、ギュッと抱きつき、何度も圭の背中を叩いている。
涙が止まらない。
肩が小刻みに上下して、呼吸の仕方がわからなくなる。
やっぱり、あたし達の友情に、終わりはないんだよ。
あたしは、抱き合うふたりをまとめて包み込んだ。
鬼の面を外さない圭の表情はまだわからないままだったけど、微笑んでいるんじゃないかと思った。
だって、鬼の面が少しだけ柔らかい顔をしていたから。
舞いを終えたあたし達を満足げに見ているような気がして、ちょっと不思議な気分になった。