小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
膨らむ想い
秋祭りが終わってから、あたしの中の圭が今まで以上に大きくなった。
好きっていう気持ちがどんどん増えて、体から溢れているんじゃないかと不安になる。
『もうちょっと、このまま』
浜辺で過ごした、ふたりっきりの時間。
あたしの肩におさまる圭の重さが、未だに残ってる。
お母さんに対する圭の思いも聞けて、あまり感情を表に出さない圭が、あたしにだけ弱さを見せてくれた。
あの日のあの時の時間は、本当に幸せな時間だった。
好きだ、圭。
ああ、もう。好きすぎて辛いレベル。
「歌恋、邪魔なんだけど!」
「ぎゃっ!!」
足首にチクリと痛みが走って、体が飛び跳ねた。
見ると、良ちゃんが竹ぼうきで落ち葉と一緒にあたしを掃こうとしている。