小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
圭はハっと笑って、あたしから竹ぼうきを奪い取った。
「歌恋、そこのごみ袋持ってきて」
圭は落ち葉を竹ぼうきで集めながら、一輪車の上のごみ袋を顎で指した。
――ドクンッ!!
顎をクイっと上げたほんの一瞬の、圭の顎のライン。
見下すように目を細め、クールに指示を出す圭の低い声が、あたしの気持ちをもっともっと溢れさせる。
どうしよう……圭がカッコよすぎて、圭から目を逸らせられない。
どうしよう……体も、動かないよ。
「…………」
圭は竹ぼうきの手を止め、ポーっと見惚れるあたしを見て、フっと口角を上げた。
「何やってんだよ。早くごみ袋持って来い」
「あ……。は、はい」
あたしは、固くなった体をカクカクと動かし、一輪車の上のまだ空きのあるごみ袋を手に取った。