小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「ちゃんと袋持っとけよ」
あたしがごみ袋の口を開いて圭に向けると、圭は地面にしゃがみ込んで両手で落ち葉をすくいごみ袋に入れていった。
途中で、軍手の手の甲で額の汗を拭っている。
……あ。
軍手についていた小さな落ち葉が、圭の前髪についた。
圭はそれに気づかずに立ち上がり、手を叩いている。
「圭」
あたしは、圭の前髪に手を伸ばす。
身長の高い圭の顔を見上げると、不意に圭があたしを見下ろした。
間近で圭と目が合い、また、あたしの体が固まる。
頭がフリーズして、瞬きもできない。
あたしはぎこちなく圭の前髪から落ち葉を取り、サッと目を逸らして激しく泳がせた。
ゴクリとつばを飲み込む。