小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「僕と一緒だ。圭は?」


「俺? ウエイター」


け、圭が、ウエイター。


黒いズボンに白いシャツを着て、ベストに蝶ネクタイ姿の圭……。


クールに料理を運んで、卒業生に笑顔を振りまいて……。


デュフ……あ、やばい……。


妄想力がハンパなくて、変な笑い声が出そうだ。


「あ、俺もウエイターだ」


稔くんがクジを開いて肩をすくめる。


――デュフ。


近くであたしと同じような笑い声が聞こえた気がして目で探すと、ユリちゃんが口元を押さえてニヤケを隠していた。


やっぱり、そうなるよね。


だって、圭と稔くんのウエイター姿、きっと世界で一番かっこいいもん。


ユリちゃんがあたしの視線に気づき、可愛く首を縮め、照れたように笑う。




< 236 / 495 >

この作品をシェア

pagetop