小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「僕と一緒だ。圭は?」
「俺? ウエイター」
け、圭が、ウエイター。
黒いズボンに白いシャツを着て、ベストに蝶ネクタイ姿の圭……。
クールに料理を運んで、卒業生に笑顔を振りまいて……。
デュフ……あ、やばい……。
妄想力がハンパなくて、変な笑い声が出そうだ。
「あ、俺もウエイターだ」
稔くんがクジを開いて肩をすくめる。
――デュフ。
近くであたしと同じような笑い声が聞こえた気がして目で探すと、ユリちゃんが口元を押さえてニヤケを隠していた。
やっぱり、そうなるよね。
だって、圭と稔くんのウエイター姿、きっと世界で一番かっこいいもん。
ユリちゃんがあたしの視線に気づき、可愛く首を縮め、照れたように笑う。