小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「文化祭のジンクス」


「ジンクス?」


パっと良ちゃんを見上げると、良ちゃんは「そう、両想いになれるジンクス」と頷いた。


「えー、何それ、知らない。教えて、教えてっ!」


ペンを置いて、体を乗り出す。


ジンクスなんて聞いたことないよ。


めっちゃ興味あるんですけど!


「校舎の前にガジュマルの木があるでしょ」


良ちゃんがペンで窓の向こうの木を指す。


「うんうん」


「文化祭当日の午後、ガジュマルの木の下に行って、虹を見るんだ」


「虹?」


あたしが顎を突き出して眉を潜めると、コクンと頷いた。


「まぁ、条件とタイミングがあるんだけどね」



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