小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
圭はハっと呆れたように笑って、チラリとあたしに目を向けた。
圭の視線がチクチクと刺さる。
「な、なに? どうしたの?」
急に心臓が暴れ出し、わざとらしく目を逸らしてしまった。
外のガジュマルに目を向けると、11月の柔らかい夕日に包まれ爽やかに風に揺れている。
「ジンクスとか、信じんの?」
真っ直ぐ、真剣な眼差しであたしを見下ろす圭。
――ドックン。
ヤバい……何て答えればいい?
信じてるなんて言えない。だって成功させたいもん。
その為には、誰にも見られないことが第一条件でしょ?
でも、今“信じてない”なんて言っても、きっと嘘っぽい言い方しかできないし……。
あ~、もう! どうしよう……。
「ま、いいけど」