小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「ほら。こんな真剣な顔、歌恋ちゃん普段しないでしょ?」


ヘヘンっと鼻を鳴らした海。


うわ……あたし、こんな必死な顔して皮剥いてたんだ。


めっちゃ眉間にシワ寄ってんじゃん。


……って。


「普段こういう顔しないってどういうことよ!」


「あたっ!」


あたしは、海の失礼極まりない発言に気づき、海の頭を一発叩いた。


「あれ? そう言えば、圭は?」


あたしの向きかけのジャガイモを器用な手つきで剥いていた良ちゃんが、辺りをキョロキョロし出した。


「ほんとだ。圭がいない。あっ!!」


圭を探して家庭科室を見回すあたしを、海がまたカメラにおさめた。


「もうっ! また~! ほんともう、やめてよ~」


「貸せ!」と、海が持つデジカメに手を伸ばす。




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