小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「ほら。家庭科室戻るぞ。良久がキレるとあとで面倒だからな」


圭はクイっと校舎を顎で指し、先に背中を向けて歩いて行く。


その背中を、あたしはしばらくベンチに座りながら見ていた。


きっと、あたしだけだ。


将来のことをあやふやに考えてるのは。


良ちゃんも圭も、ちゃんと将来なりたいものの為に行動しようとしてる。


あたしは、ただ周りの真似をしてるだけ。


あたしだけが、全然前に進んでない。



< 253 / 495 >

この作品をシェア

pagetop