小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
あたしは、枕を抱きながら勢いよく体を起こした。
あたしが自分で努力すればいいんじゃん!
圭の描く将来に入れるように、圭のレベルに追い付かなきゃ。
翌日。
あたしは良ちゃんを校舎裏のベンチに連れてって、昨日の夜にひとりで考えたことを相談した。
やっぱりまだ自分ひとりでは決められなくて、誰かの意見も聞いておきたかったんだ。
今から真剣に看護師を目指しても、可能かどうか。
「歌恋……さっきから何をそんなにキョロキョロしてんの? 怪しいんだけど」
誰にもこの話を聞かれないように、周りにひと気がない事を確認していると、良ちゃんが目を細めて引いていた。
まだ、誰にも知られたくないから。
特に、圭には。
「良ちゃん、正直に答えてね」
「なに? いきなり」
ベンチに座って良ちゃんの目を真剣に見つめると、良ちゃんは気味悪そうに体をのけ反らせた。