小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「……やっぱり、ムリかな」
シュンと肩を落として項垂れると、良ちゃんはハッと我に返ったようにあたしに目を向けた。
「あ、別にムリってことはないでしょ。歌恋がそう決めたんだったら、やるしかないじゃん」
ムリじゃ、ない?
「本当に? 本当に、ムリじゃないかな!!」
ちょっと光が見えた気がして、口角が上がった。
「ムリかどうかなんて、やってみなきゃわかんないじゃん」
やってみなきゃ……!
「歌恋が、ない頭を必死に使って考えた結果なんでしょ?」
ない頭って。失礼な……。
「……歌恋がそう決めたなら、僕は見守らなきゃいけないのかな」
「え?」
良ちゃんがボソリと何かを呟き、あたしはよく聞き取れずに聞き返した。