小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
圭の目が、何か言いたげだ。
ただ真っ直ぐあたしを見ているだけだけど、何かを言いたそうに見える。
あたしを見た後に、あたしの隣にいる良ちゃんにも目を向けて。
……圭。
本当にどうしたの?
あたしは少し首を傾げ、圭に“どうしたの?”と口パクする。
だけど、ちょうど良ちゃんの両親が体育館に入ってきて、聞くタイミングを逃してしまった。
圭は笑顔で会釈をし、良ちゃんの両親を席へ案内する。
ちゃんとウエイターらしく振る舞い、女性の椅子はきちんと引いて座らせていた。