小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「……まぁ、阻止する目的は果たせたな」
「え?」
ポツリと呟いた圭を見上げた。
阻止する?
「何を?」
意味不明な圭の言葉に半泣きの表情で聞き返すと、圭は満足そうに口角を上げ『別に?』
と、また眩しそうに空を見上げた。
「歌恋」
圭が両手をポケットに突っ込んだままあたしを見下ろす。
「俺さ、この島に残ることにしたから」
「………」
やっぱり……
「夢は諦めてないよ。
勉強はここでだって出来るし、勉強しながら店を継いで、ちょっと時間はかかるけどおまえらの後を追うよ」
圭が首を少し横に傾けながら、あたしの方に体を向ける。
「良久に頼んであるから」
「……え?」